(2)住宅が使命を終える時、地球に優しく帰ってゆく材料を、その地から得て使う。
その地の自然に育つ材料で住宅を建設できれば、近代建築材料が使う多くのエネルギーは節約できるし、それらの廃棄物の処理も不要となる。そして、遠くか
ら多くのエネルギーを使って運ばなくてもすむ。工業製品の持つ毒性からも解放され、快適な空間を構成することが出来よう。
この実験住宅では、空調のため自然対流による系を作っている。そのために両極端の季節では、高断熱、高熱容量、高気密が必要となる。施工においては、それ
を目指し、2x4に土壁を塗り、屋根は茅葺きとした。また、屋根からの雨水は飲料水として用いる。
昔からの日干し煉瓦(Adobe)や、最近は、土と草と若干のセメントを混ぜて、型枠の中で突き固め壁にする方法(Rammed
earthと呼ばれる)等廉価に構造を作る方法がある。そこでは、地震に対する設計を十分しなければならない。そして、粘りへの補強に竹を用いることが考
えられる。これらの手法は、風土主義的に各地で育っており、物質主義に走る近代工法にとって変わられる前に、よく調べ保存すると共に、新しい手法として、
発展させて行かねばならない。
ここでは、現場に施工した例についてのみ述べる。
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