(2ー3)雨水利用

NZの過疎地域では、雨水をタンクにためて、日用に供する方法がよく取られる。上水を配管して送るには あまりにも各戸が離れすぎているからである。大屋根と南側の屋根で集められた雨は、コンクリート製の 地面に設置された水槽(約15,000ι)に溜められる。図に示すように、屋根を付け日光を出来るだけ入れぬ ようにしてあるので、細菌の繁殖は極力押さえられる。

雨水貯水用のコンクリートタンク

一 部はソーラールーム横のヘッダータンクにポンプで揚水され、ソーラールームの水槽へと与えられる。 他は冷水として天井のパイプに上げられ、それを通して蛇口に供給される。出来る限り位置のエネルギーは 利用したいので、さらに議論は必要である。風車による電力はより優先順位の高いものに使いたいので、 手動の揚水ポンプも考えている。屋根面の雨が全て集められたとして、現在の日本の都市で使われているよう な使用量では、最も多い降雨量の月でも75%しか得られず不足するので節水しなければならない。 石鹸をつけるときも普通シャワーの湯は流しっぱなしだが、足でon-offの出来るスイッチの工夫が緊急課題と 思える。しかし、この住宅でのフラッシュの水は、簡易便器なので一日の水の使用量は少なくてすみ、 170ι/人/日を使用量と考えている。節水は何れにしても大切である。
NZは雨の多いところ。不利を有利に変えるというこのプロジェクトでの考え方によれば、雨水発電も その一つである。1日2トンの雨を丘の上から6m落として、1kwのヒーターが140秒使える。
この様に雨水利用は、自然共生するために不可欠であるから、酸性雨をもたらす行為は極力避けねばなら ぬ。生物にも危害を与え、我々の命もSeatle酋長がいうように脅かされることになる。水はエネルギー問題 より深刻なことであると云われている。

(2) 住宅が使命を終える時、地球に優しく帰ってゆく材料を、その地から得 て使う

(2-1) 土壁

(2-2) 茅葺き


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