おわりに

物質文明を否定し、質素な生活に戻れば、太陽の そして自然の恵みの下、持続可能型の生活様式を確 立することができることを具体的に説明してきた。

そうなると、地球上に住む人間一人一人に、その地域に応じて 持続的に生活できる一定の面積を、 保持する権利を認めなければならない。そこで太陽からのエネルギーを受けとめ、各自の生活、生き方を 追求することになる。これには全世界でのコンセンサスが必要となる。これは今後不可避な人口問題への 基本的態度を構築する大きな出発点となろう。
我が国における過疎化は、その意味において多くの人々に、それらの場所でこの試みをする良い 機会を与えてくれているとポジティブに考えることが出来よう。

その意味で、現在の日本の住宅の建て方は、基本 的に間違っている。戸建ての住宅では、敷地いっぱいに建て 庭をとる代わりに部屋数を増やす。高層住宅も多くの人が持ち寄る土地の有利さを用いて緑地を得るという 態度は全くなく、コンクリートの箱の中に入れてしまう。 高層化してより多くの人間がその建物の中にはいると、そのまわりに菜園などとして生活必需品を生育する 場所−くつろぎの場所にもなることは明白である−が必要となるのだ。

持 続可能なライフスタイルが確立しても、単に物質的な側面が満たされるにすぎない。ここで大切なことは、 人間らしく歓びを求めて生きることだ。音楽、文学、芸術、研究等々、そして、生きていくことの意味を考え、 精神的な進歩を得ることだと思う。

あらゆる戦争を直ちにやめて、太陽エネルギーがな くなるまで平和に人類が生き延び、この大切な 地球を守って、人間らしく楽しく住もうではないか。そうすれば太陽が消滅しても生きていける 哲学が見いだせよう。

新しい有効な結果が得られれば、逐一報告して行くつもりだ。精神的、技術的な面はもちろ ん、研究を 続けるのに必要な経済的な面も含めて、種々のご支援、ご助力を御願いしたい。

現時点での連絡先 (Email);yoshi@ecohouse.co.nz

謝 辞

この実験住宅の建設には、多くの人達の友情あふれる物心共の協力を得た。 振り返ってみると何と多くの人達に協力してもらったことか。その ふれ合いは楽しい思い出として永く心に残ることであろう。ここに深い感謝を表明したい。
最後に、このプロジェクトに深いご理解をいただき、多額の寄付をしていただいた方々および企業をリストに して感謝の意に変えさせて頂きたい。

寄 付者

株式会社ケンオンエンジニヤリング
積水ハウス株式会社
大和ハウス工業株式会社
ナショナル住宅産業株式会社
株式会社設備技研
株式会社岡工務店
有限会社関西ステージ
東急建設株式会社
株式会社奥村組
アクト音響振動調査事務所
株式会社OTO技術研究所
株式会社KUS建築設計事務所
馬場健一建築研究所
株式会社大秀工務店
神鋼プラント建設株式会社
株式会社ゼット音響設計
株式会社建築環境技研
株式会社ディービー環境調整
GE設備計画
株式会社三井ホーム
株式会社日本板硝子環境アメニティ
株式会社赤松菅野建築設計事務所
すっぽん
株式会社新日本設備計画
スイサク


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