全天空日射からのエネルギー収
集は、一般に直達日射に主として注目されているが、曇天時でも最低限
どこまでの熱量が期待できるかを知っておくことは大切である。図の様な表面を黒く塗った球面を用いて、
その内部の水にどの様に蓄熱されるかを見た。ここでも2cm厚の空気層をおき、透明なプラスチックで
カヴァーし、それが有効であることがわかった。この時の計算は以下の様に考えた。すなわち、まず天空面は
半球面と考え、曇天の日に測定した水平面天空日射から、その表面放射量を推定した。黒塗の半球面を環帯に
分け、天空面との立体角投射率を求め、表面放射量を入れて、全表面について計算し、等価外気温を求めた。
コンクリート面からの反射も反射係数を0.1として加味し, それからの
等価外気温を求め、水温の計算をした。その結果と実験結果を、天空日射の測定値を添えて、図に比較する。
この半球面に直達日射のみが当たった時の水温の計算結果も示す。このタイプでは天空日射の方を効率よく
集めている。
この集熱器による冬のある一日の内部水温の変化も次図に示す。
半球面による集熱
あ る日の集熱器内の水温の変化